ありがたい親心
私は実家の母親とよく電話で話す。
先日も電話をすると、母親が突然言ってきた。
「ねぇ、じょせき謄本取ってくれない?」
は?じょせき???
「じょせき!戸籍から外れた謄本よ。」
あ~、除籍ね。
って何で?
「今、私の周りの人達がみんな先祖の名前を調べてるのよ。」
先祖調べが流行っているらしい。
「先祖を3代前まで調べるといいんだって~。」
先祖って、7代前まで癒せ、って聞くけど、3代でいいのか?
「3代でいいんだって。」
でも、3代だって、すごい人数だよね。
お父さん、お母さん、それぞれの両親で、4人。
そして、4人の両親が、8人。
そして、その8人の両親が16人。
それを一人ずつ除籍謄本を取って、
両親の名前を調べて、
その両親それぞれの除籍謄本を取って、、、
って何だかよく分からなくなってくる。
というか考えるだけで、面倒。
「ねぇ、先祖様が大事なのは分かるよ。
でも、名前まで必要なの?普通にご先祖様っていうくくりで、祈ったり供養したりすればいいんじゃないの?」
と面倒な私は母に言う。
「だってさ~。誰々さんのおばあちゃん、って供養するよりも、ちゃんと名前を言ってもらった方が、先祖様も嬉しくない?」
・・・
わからない。
「でも、なんで急にご先祖様調べるの?」
「今までも調べてたのよ。」
どうやら、周りの人が調べ始めたところ、
今まで結婚しなくて悩んでいた子供が、
突然結婚するらしい!
「ケンちゃんがね、結婚したの。
すごいいい子で33歳なんだけど、ホントはあんたにって思ってたのよ。
昔、あんたも会った事ある子なんだよ。」
知らないよ、ケンちゃん。
ってか、勝手に結婚相手決めないで。
え?って事は、私の結婚のため?
「それだけじゃないけどさぁ、もう誰でもいいから、結婚して欲しいんだもん~。」
とか言いながら、
でも、お金持ちにしなさいよ、と付け加える母親。
そんなに結婚ってするべきものなのかなぁ。
孫が早くみたいらしい。
その後、孫に何を習わせて、あーしてこーしてといつもの話が始まる。
「お母さん、そんなに可愛がるタイプじゃないよ。
それよりも、その可愛い孫のためにお金貯めておいたほうがいいよ。」
「まぁね、私ベタベタするタイプじゃないからね。」
本当に本当に結婚して欲しいらしい。
帰省するたびに、会う度に、結婚話が出てくる。
まぁ、別に嫌なわけじゃないんだけど。
私だって、いい人いたら、したいさーーー!?
その後、友達に「聞いて~」とメールをすると、
「分かるな~、親心。
今度さ、お見合いパーティ行こうよ!
私は、サクラで品定めに付き合うから!」
って返事が来た。
彼女は結婚5年目で、そして人間観察がとても好き。
男性を見る目がない私。
自分の結婚相手を探すためじゃなく、彼女の人間観察ぶりを聞くのも楽しいかもしれない。
行ってみようかな、お見合いパーチィ。
無料のやつ。