ピルの作用と副作用

一昨日、ピルを飲んで初めての生理が来た。
痛さがどうなるかが不安で、そう期待していなかったけど、実際はそれ以上だった。今までの痛みが本当に嘘のようにまるでなかった。
ピル作用、恐いくらいにすごすぎる。

私の場合、子宮の外壁にも内膜が出来てしまう「腺筋症」があるから、ピルを飲んでも痛みは変わらないかも知れないと初めて「子宮内膜症」と診断された産婦人科の医者から言われていたので、今まで(約5年間)なかなか「ピル治療」に踏み込めなかった。

治療と言え、治癒に向かっていく療法ではないこの「ピル治療」。
ただたんに、生理の度に悪化していく子宮内膜症という病気を、ピルによって生理を止め、悪化をひとまず止めようというだけ。

子宮と卵巣の機能を無理矢理止めて、今の状態から悪化しないがための薬で、それが直接治癒に繋がるわけじゃない。その現状維持のためだけに、乳癌やその他諸々の副作用と引き換えには、どうしても出来ず、何もせず痛みの方を今まで選んできた。
だって、心臓が悪いからと言って、今より悪化しないために心臓を止められる?と極端な事を思い、とにかくピルを避けてきた。

その引き換えにした痛みは、強烈だった。
痛みのレベルは他人と比較出来ないし、許容も違うだろうし、形容しがたいものだけれど、とにかく痛かった。まるで、子宮と卵巣を雑巾絞りのようにギュ~っと絞られるような感じ。
それが2~3日続く。
3日間とにかく部屋に引きこもり、ただただ耐えるのみ。
2日間は、絶食状態。
その上、嘔吐が続く。食べられないのに、吐ける。
ひどい時は1時間おきに気持ち悪くなって、からっぽの胃のくせに、吐く。でも楽になるわけじゃなく、吐く時だけはそれに集中して、痛みを忘れるってくらい。それが終われば痛みが再び戻ってくる。

色んな痛みを味わった。痛みで気を失うかと思う程で、そうなれば幸いだったけど、そううまくもいかず、痛みの先のちょっとした快感があるのを通り越し、痛みはどこまでも際限なく、ついてくるというか、入っていく感じ。

よく我慢出来たと我ながら思う。多少マゾっけがあるのか。
これが毎日続いていたら絶対無理だったろうけど、2日か3日我慢すれば大丈夫、と思うと毎月我慢出来てしまった。
その前の不安と生理中の精神的肉体的ダメージは相当だったけど、まるで自分に課している罰のようにとにかく耐えた。
選択肢がそれしか考えられなかった。

お陰で痛みの意味もいっぱい考えた。
外的要因だけじゃなく、心の面、幼少の頃の問題、考えは前世にまで至る位、様々な人達のサポートの中考えた。
それによって気づけた部分もあるし、今の私が形成されているから、それだけでも痛みの「意味」はあったと思える。

でも、さずがにもう限界だった。
会社勤めはもう無理かなと正直真剣に考えていた。

だけど、全く痛みがなく、生理2日目で学校に普通に行けてしまった。
2日目で、外出したのなんて何年振りかって位、もう思い出せない位、遠い記憶。
でも、痛みのない自分を信用出来なくて、信じられなくて、気持ちは完全にいつもの生理状態のようにオフにしていた。ぬか喜びも嫌だったし、痛みが当り前過ぎた今までとあまりにも違いすぎて、心と頭がこの喜ばしい状態を全く受け入れていなかった。
だけど、1日普通に過ごせてしまった。

とりあえず、今まで心配をかけた母親にメールで報告をした。
「今までの痛さに耐えたボディとハートにご苦労様です!この間に良い方向に治癒するといいね。」と返事が来た。

今まで誰に何と言われようと西洋医学で治療しようとしなかった頑固者の私が、病院に行こうと腹をくくったのも、自分のため以上に両親のためでもあった。
帰省した時に、私の痛がる姿を初めて両親に見せる形になってしまった。そのまま地元の病院に連れて行かれそうな勢いだった。
痛みの限界がその時だったのもあるけれど、両親を心配させる事が本当に親不孝だなと心から実感して、その時に初めて手術でも何でも治療しようと決めた。

もっと早くやっておけば良かったのかも知れないけれど、不思議とそうは思わない。
今まで痛くて泣き叫んで来た分、まるでさっぱりなかった事にも出来たんだろうし、周りにも迷惑をかけなかったんだろうけど、それじゃあ何だか病気の意味がないような気がしてしまう。
病気に意味なんていらないよ、ましてや痛みがあるなんてって感じだけど、とにかく意味づけが趣味な私だから、病気だろうと何だろうと、とにかく意味を考えちゃう。
それに痛みを知らない人は、ちょっと傲慢過ぎるかもしれないけど、人の痛みを分かってあげられないと思う。

結局痛みも喉元過ぎればじゃないけど、過ぎ去っちゃえば忘れちゃえるんだよね。
あの痛みがまた来ると思うだけで、テンションが下がっていたけど、その分元気でいられるうちに思いっきり楽しもう!って思えていたし。

でも、やっぱり痛みはもういらない。
私だけの私だけが感じられる痛みは、もう十分味わいました!
今はピルの作用の部分しか出てきてないし、あくまでも今の段階での症状で、痛みがないからと言って、治癒しているわけじゃない事を忘れないように、今後の副作用もきちんと考えながら、治療もしていかなければならない。

痛みの中での思考はろくでもない。
今まで前向きなんだか後ろ向きなんだか分からなかったけど、痛みのない正常な状態で前向きに何とかやっていけそう。
もしかして、痛みがないのは最初だけで、また痛みが戻ってくるんじゃないかって考えを拭い去れず、痛みがないぜ~!やった~!!といまだに手放しで喜べないこの疑心暗鬼ぶり。

とりあえず、今月痛みがなくて感謝です。
あんなちっちゃい薬で、体の中でいろ~んな事が起こって、痛みが消えちゃうんだもんな~。
良し悪しは別として、西洋医学は、やっぱり「マジック」です。